211-02-3-24

〜 私設 「北野晶夫の世界」 〜

- 第4回富士登山レース -

 

【 第4回大会の模様 】

1956年(昭和31年)7月9日


 

 

 

 

 

 

モーターバイク・クラスで2位に入賞した望月 修選手(ヤマハ)

 

 

 

 

この年で4回目となった 、第4回富士登山レース が7月9日に 開催された。

コースは前年の第3回大会と同様の、富士宮浅間神社から富士山2合目まで24.2kmであったが、この年は主催者側の奔走にも関わらず初めて交通法規の規制を受けることとなり、スタート地点から9.2km先のカケスバタまでは公道走行として法定速度で走り、カケスバタから先の15.0km区間で争われることになった。

ただし、この15.0km区間においても、最高速度の制約を目的として疑似の踏切が数カ所に設けられると云う、複雑な規則となってしまった。

これらは、前年11月に開催された第1回浅間高原レースでも議論されたが、結局警察当局からの明確な回答が示されないままであったため、主催者側は相当苦心したらしい。

さらに、この規制が発表されたのがレースのわずか2日前であったため、前年と同様の走行を想定していたチームやライダーは突然の規制発表に動揺を隠せなかったようだ。

 

125ccクラスは、前年まで好成績を残したホンダ・ベンリィとスズキ・コレダが不出場となり、ヤマハの勝利が約束されたようなものだったが、そのヤマハは6月上旬から現地で練習を重ねると云う相変わらずの力の入れようだった。

このヤマハに挑戦したのがタス、そしてこの年初出場となるマーチンだった。マーチンは250ccクラスをメインとしていたのに対して、タスはこの125ccクラスのみに中島信義選手(富士登山レースの最高記録保持者)を迎え入れてのエントリーだった。

一方の250ccクラスは、例年より出場メーカーが少ない中で、浅間レース以降、弱冠ながらエンジンが改良されたDSK、ガスデンの2サイクル2気筒エンジンを搭載したマーチン、そして最小排気量の2サイクル175ccで挑むヤマハの争いとなった。

 

コースは、前年まで1合目から先の区間は飛び出した石などでパンクが相次いだが、この年はそれらがほぼ完全に取り除かれコース・コンディションは良好であった。

 

レース当日は、毎年のことながら1合目からゴールまでは濃い霧に包まれ、時折小雨が混じるあいにくの天気となり、経験の無いライダーや練習不足のライダーは厳しい走りを強いられた。

 

スタートは、午前9:00に250ccクラスから1分間隔でスタート 、続いて午前9:26に125ccクラがスタート、その後を地元のマニアと特別出場のサイド・カーがスタートした。

125ccクラスは、前年の成績や浅間高原レースでの結果から当然の結果とも言えるヤマハの圧倒的な勝利であったが、その一方で4台が出場したタスの全車完走(最高位はベテラン中島信義選手の9位)も注目を集めた。

また、250ccクラスは、排気量のハンディキャップがありながら経験豊富なDSKや250ccエンジンのマーチンを下しての1〜5位独占は賞賛に値するが、川上社長自ら陣頭指揮を執っての勝利と云う結果の表れであろう。

 

ライトウェイト・クラスの決勝結果は以下の通りである。

 

 

順位

選手名

出身地

メーカー

排気量・年式

タイム

記事

1

砂子義一

大阪

ヤマハ

175cc・56年式

22' 33" 0

 

2

小長谷 茂

浜松

ヤマハ

175cc・56年式

24' 48" 0

 

3

下良睦男

大阪

ヤマハ

175cc・56年式

25' 06" 0

 

4

星野幸男

浜松

ヤマハ

175cc・56年式

25' 12" 0

 

5

谷口 弘

浜松

ヤマハ

175cc・56年式

25' 36" 0

 

6

関根昭吾

駿東

DSK

250cc・56年式

25' 58" 0

 

7

関本光馬

駿東

DSK

250cc・56年式

26' 05" 0

 

8

植松 功

神戸

マーチン

250cc・56年式

26 11" 0

 

9

松村幸二

神戸

マーチン

250cc・56年式

26' 23" 0

 

10

長岡 勝

沼津

オートビット

250cc・55年式

27' 04" 0

 

 

 

 

バイクモーター・クラスの決勝結果は以下の通りである。

 

 

順位

選手名

出身地

メーカー

排気量・年式

タイム

記事

1

野口種春

藤沢

ヤマハ

125cc・56年式

24' 37" 0

 

2

望月 修

東京

ヤマハ

125cc・56年式

25' 39" 0

 

3

壬生輝男

高知

ヤマハ

125cc・56年式

25' 47" 0

 

4

宮代正一

横浜

ヤマハ

125cc・56年式

25' 53" 0

 

5

塚本敏雄

沼津

ヤマハ

125cc・56年式

25' 56" 0

 

6

益子 満

東京

ヤマハ

125cc・56年式

26' 13" 0

 

7

太田英男

浜松

ヤマハ

125cc・56年式

26' 48" 0

 

8

鈴木武夫

浜松

ヤマハ

125cc・56年式

26' 53" 0

 

9

中島信義

東京

タス

125cc・56年式

27' 34" 0

 

10

亀井一正

神戸

マーチン

125cc・56年式

28' 51" 0

 

 

 

 

番外(サイド・カークラス)

 

 

順位

選手名

出身地

メーカー

排気量

タイム

記事

-

 佐野卯之吉

-

ヤマハ

175cc

32' 33" 0

 

 

 

 

 


 

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(最終更新:2017/03/14

 

 

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